後発的奇形
たまにショップなどで、骨格のいがんだものや、ガノインの乱れたポリプテルスたちを見かけることがあります。
ワイルド、ブリード問わず、どちらにもその奇形は見られ、ブリードの盛んなものほど確率的に多いような気がします。
まあ、出生率を考えるとその確立はわかりませんが。

今まで見てきたものは、セネガルス、パルマス、エンドリケリー、オルナティピンニス、デルヘッジ、
といったブリードされてるすべての種と、ラプラディーやワイルドエンドリなどもあります。
(ショートはのぞき、骨格異常や、ガノインの乱れ、へこみ等の症状がある固体)

大体のものは先天的に生まれてきたときからの奇形ですが、今回取り上げるものは、後発的に起こった奇形です。
うちで1年と数ヶ月飼育してきたエンドリケリーですが、幼魚期に大病を患いました。
その後回復の兆しがあり、餌食いもよく、病気は完治して、成長している姿も見られました。



この写真の状態まで持ち直したのですが、この数ヵ月後いきなり絶食に入りました。
ありとあらゆる餌を考え、単独で飼育して、できるだけ外からの刺激がないように、慎重に経過を見ました。
金魚、めだか、沼えび、ワカサギ、牛ハツ、キャット、鯉の餌、ドジョウ、などなど
うちで手に入るものはすべて試しました。
その状態でも2ヶ月は一口も何も食べませんでした。

ある日突然、コアカを目の前で捕食し、ほっと安心して、1週間ほど経過を見ていると、
タンク内のコアカが減っていたので、もう大丈夫かな?と思い、他のポリプテルスたちと合流させました。
その後しばらくは牛ハツなども食べていたのですが、また、絶食に入り、ストレーナーの上部に寄りかかり下りてこなくなりました。
見る限り3ヶ月の絶食です。
約3ヵ月後ようやくコアカを一匹捕食し、また一安心と思いきや、
その後2ヶ月の絶食です。
絶食あけにまたコアカを一匹食べ、何か様子がおかしいなと思いつつ経過を見ると、
だんだんと背中がねじれてきました。
はじめはよく見るとわかる程度だったんですが、今は完全にゆがんでいます。

中央からゆがんでいるのがお分かりでしょうか。


成長期に取るべき栄養分を取らなかったための歪みでしょうか。
余命どれだけかはわかりませんが、特別待遇しても調子が変わらないので、
他の固体たちと一緒に飼育しています。

このように、ブリードされた時点での先天的な原因のほかに、後発的に歪みが生じることがあります。
軽率な盆栽飼育は危険ですね。
(この固体は盆栽飼育をしたわけではありません)

後天的な歪みで、成長期に大量のえさを与えたりした場合、骨格が歪むということを聞いたことがありますが、
確かにそういうこともあるとは思いますが、温度管理、えさの管理をきちんとしていた個体でも
曲がる個体が時々出ます。
私の場合では、ワイルドでの後天的奇形の経験はないのに対して、ブリードは数匹出ました。
ブリーダーは、成長期の飼育者の管理が悪いと主張し、飼育者は、ブリード時の過程、ブリードの弊害などに問題があると主張します。
実際どちらの例もあるとは思いますが、ブリーダー側が、飼育者の管理ミスと決め付ける発言に、良い思いはしません。